Yes, Sir!
発行者のSINYA OONOです。
今日はVirginグループの総帥でもある、
Sir Richard Branson、
リチャード・ブランソンですね。
の本からその生き方を取り上げてみたいと思います。
まず、目的としては世界的にブランドのある企業体を持っている、
コングロマリットとといいましょうか。
その部分に興味というか将来の自分を重ねている。
そんなのが、私の中の個人的な読み方です。
時を同じくして、
ユニクロの柳井さんが参考にしていたという
アメリカのハロルド・ジェニーンというコングロマリットのトップになった人物も
出てきました。
彼の著作「プロフェッショナルマネージャー」も要チェックですね。
どうやら。
そして、柳井さんのこの本への思い入れは、
「経営ノート」といわれる柳井さん自身の著作、
元々はユニクロの社内研修用素材だといわれていますが、
その本のノートのような作りからも推測できます。
さて、
ブランソンさんですが、
と紹介する前に、
皆さんは、
LinkedInというサービスを知っていますか?
というのは、
これはFacebookのようではありますが、
どちらかというとビジネスユーザーが多く、
Facebookよりは、
企業が使うようなSNSという意味では、
共通点はありますが…
実はそこで、
彼の投稿などはよく見ることができます。
島に行ったり、
列車で、
握りこぶしで
お客さんとゴツンとハンド・トゥ・ハンドで
コミュニケーションをとったりしています。
個人的には、
起業家が死刑制度について考えなくてはいけないというような
少し重めの発言をしていました。
私としては、
松下幸之助さんのいう”人を活かす経営”
レイ・クロックのいう”成功はゴミ箱の中に”
という起業家精神全体からしてみても、
起業家が人を活かす工夫を
よりまとまって取り組むことはすごくいいなと思ったので、
英語でコメントさせてもらえました。
海外の50カ国で、
鉄道、金融、携帯、旅行、飲料、通信、放送、出版、宇宙事業を束ねる
総帥とも案外簡単に繋がれる。
そんなことが起きてしまっているのが、
この21世紀。
折しもNHKなどのテレビや国の放送でさえ、
アメリカの大統領がTwitterを多用していることから、
Twitterが逆にニュースになる程です。
順番が逆になってきています。
Webの方がよりリアルタイムで、
より近い。
そんな時空を超えた世界がWebにはできてしまってきています。
一方で、常時接続は危険だという見方もあります。
ある意味、アイデンティティや創造性というものを考えて行った時に、
ある種の隔離というものも必要であるという見方もあります。
流され続けている人は、
自分を見失ってしまう。
そんなことから、
ネット断ちなんていう概念もあるにはある。
そんな意味でも、
ブランソンさんのように、
ネッカー島に飛んでしまったり、
冒険に出てしまったりしたら、
ネット世界のことは忘れていられるのではないだろうか。
ネット世界というものをある意味、
一つのリアルと分節された世界として再認識する。
そんなことも見えてきます。
さて、
ブランソンさんのアイデンティティはどこにあるのでしょうか。
ルーツを見ていくと、
16歳で高校を中退をして、
そして、
「ストゥーデント」という雑誌を立ち上げています。
これは面白い。
学校を辞めたのに、
「生徒」という雑誌を作ったという点がです。
しかも16歳で。
日本なら高校生で、
「もう学校やめた〜」
でも「生徒ってこんな感じだよね〜」
みたいなものがすでにできてしまったのだろう。
だからこそ、
先日もお伝えしたような自ら調べ、
自らつくるという
真の学びのスタイルを得てしまったのではないかと。
そうすると確かにいわゆる学校に通っての学習は
無意味に思えて当然なのかもしれないと思います。
小学校が続かなかったエジソンにしても
その後の勉強法を確立し援助したのはエジソンの母であったし、
松下幸之助さんにしても、
小学校中退の丁稚奉公から小学校でキャリアを始めている。
学校からの離脱は、
あまり悪いことに見えないというのは、
少し言い過ぎでしょうか。
紋切り型の教育が奪った脱個性、脱創造性を埋めるためには
やはり何かしら援助や支援が必要でしょう。
すでにそれが当たり前だと思っている人々にとっては、
リハビリテーションや考え方の変化も必要でしょう。
さて、
ブランソンさんの話をもう少し聞いてみましょう。
まず出てくるのは、
起業家精神の座右の銘なのだが、
それはちょっと後にご紹介するとして、
「家族の中でリーダーシップは始まるとする」
家族の話から始めていきましょう。
先日出てきた、
アメリカのレイ・クロック君もそうですが、
(笑)
やはり生い立ちを自伝の中に含めているつまり、
自分の家族に関するエピソードがございます。
色々な成功やその後の人生の転機は色々あるかもしれないが、
昨日のサッチモことルイ・アームストロングではないが、
人を見るには、
やはり親を見るということは世界共通のパターンなのかもしれない。
もちろん親の話はしたくないという人もいるかもしれないが、
自分なりの自伝的な積極的でポジティブな解釈をできた瞬間、
次の自分に進むことができるのではないか、
成功者はそのように、
自分の身の回りの環境として家族や友人をしっかり分析して客観的に理解することに
時間を傾けているのではないかということも推測できます。
ちなみにピアノマンとしてバイトをしていたことがあった
レイ・クロックのピアノの先生は母であったという。
当時は、
「レイモンド、ピアノの練習の時間よ」と呼びに来るのは
本当に苦痛だったとしているが、
「今となっては大量の時間を割いて私にピアノを教えてくれた母に感謝している」と
残しています。
ちなみにちなみにだが、7つの習慣で有名なスティーブン・コーヴィー博士は、
ピアノを弾ける喜びは知るに至らなかったとも本人が言っている。
人にはそれぞれ機会を活かすことについて論じている流れの中にでありましたが、
幼い頃は、自分の本当に恵まれている、
恵まれていた状況には気づかないと言えるのかもしれない。
そんなふうにも思います。
では、リチャードの母はどうかというと、
起業家とは思っていなかったのではと語るものの
「進取の人」でアイデア出し、
製品づくり、流通業者との交渉、販売、納品もなんでもやってしまう人だったという。
こうしたバイタリティのある人が母親だと、
ブランソンさんのいうように「つむじ風」のように
振り回せれているような感じもあったのかもしれないし、
でもそれがやはり、
「無償の児童労働」(ブランソン氏側の表現):「愛ゆえのボランティア」(ママ側の表現)
と呼ばれる
起業家精神を引き出す行動というものを鍛えていったことが読めてきます。
この教育こそが、
リーダーシップの家庭の教育だったと。
何を子供に期待するのは、
簡単だ。
言葉で伝えたり、
プレッシャーをかければ、
いい。
でも、それが、子どもの学びになるのは、
お父さんとお母さんは何をしたいんだろう?
と思われてしまうだろう。
もちろん、親の苦労があったことは、
本に含まれている母からの手紙を見れば見えてきます。
子どもの全てを親はわからない。
でも、
親の全ても子どももわからない。
フェアではないか。
小さい頃から見ている分、
子どものことは全て知っていると親は思いがちであります。
・・・
まだまだたくさん面白いエピソードがありますが、
やはりどうしてそこまで、
リチャード・ブランソンは、
ベンチャーを次々と展開できたのだろうか。
この問いに迫ってみたいと思います。
より深い洞察としては、
家族というところまで戻るという意味で、
前述の内容がリアルになっていると思うのだけれど、
「はじめに」のところで、
早速その哲学を披露してくれています。
その哲学を深掘りしてみましょう。
「新しいビジネスやプロジェクトに心が踊らず、
起業家スピリットや革新マインドが刺激されないとき、
クリエイティブな喜びを味わいつつ、
それで世界を変えられると感じられないときには、
さっサイト見切りをつけ、
もっと心踊る別のプロジェクトに目を向ける」。
ここでわかること、それは、、
彼の中のベンチャー事業に取り組む際には、
3つの条件と1つの重要な概念がある。
そのように分析しました。
条件というのは、以下の3つです。
条件1)起業家スピリットや革新マインドを刺激するものである
条件2)クリエイティブな喜びを味わえる
条件3)世界を変えられる事業である
何かをゼロから作り、
よくしていく。
社会だったり、個人だったりをよくしたい。
そうしたやはり善意なリーダーシップが優れていることが理解できます。
「ワイズ・リーダー」という論文を
ハーバード・ビジネス・レビュー誌に投稿した野中郁次郎教授も
その6つのリーダーシップにおける能力のうち、
1. 卓越した「善い」目的をつくる能力
を最初に挙げています。
そして、
起業家自身がそれをクリエイティブに達成すること、
世界を変えることを楽しんでいる。
これこそ、
先日のサッチモのBBCの番組で見た
天才の新たなる定義:世界を変えることができるのが天才だ、だ。
では、一つの重要な概念とはなんだろうか。
それは次のようだと著者は読み取りました。
「心踊る!」
類まれな善なる意図と意志を持って何かをできる!と思う時に、
人は確かに「心踊る!」のではないだろうか、
情熱や熱意、
パッションやエンスージアズムというようなものもその辺りからきているはずだと思うのです。
それゆえに誠に勝手ながら、
英語版のタイトルを変えてしまうことにしました。
日本語版のタイトルは、
「ヴァージン・ウェイ:R・ブランソンのリーダーシップを磨く教室」。
英語版は、“THE VERGIN WAY: HOW TO LISTEN, LEARN, LAUGH AND LEAD”
日本語訳は、
語が多すぎるので、
リーダーシップのところだけ抽出してあるが、
本書自体が、
1)LISTEN,
2)LEARN,
3)LAUGH AND
4)LEAD
の4部構成になっている。
もし一つにまとめるとしたら、
“THE VERGIN WAY: HOW TO DANCE WITH JOYFUL HEARTS”
になるのではと勝手に書き換えた。
つまり
いかに喜びの心を持って踊るかという意味と喜んでいる数々の心(人たち)と踊るかという
ダブル・ミーニング(二つの意味)を重ねたタイトルだ。
勝手にタイトルを変えて困るかもしれないが、
むしろこうした解釈は、
本人も喜んでくれるのではないかと思う。
何しろいつでも楽しそうだ。
時々見せる顔は何かを考えているような顔。
さて、先ほどの4部の構成を見ても分かったが、
難しいことではなく、
コミュニケーションでリーダーシップを取ることを確かに重きを置いて論じている。
色々な経験からもたくさん益が得られるが、
何しろ言っていることは小学生でも通じるようなこともある。
そのあたりのわかりやすさというか、
シンプルさというか、
素朴さというかは、
やはり魅力であると思います。
その最たる例として、理解できる二つの話し言葉の話があります。
それを事業を行う組織から見た視点で次のように言っています。
「多くの場合、
組織の上層部に行けば行くほど、
あまり聞かれなくなる」が、
「とてもさりげない、
でもとても重要な言葉を二つ」があると。
それは、
「プリーズ」と「サンキュー」だ。
ここで、ブランソンさんは、いわゆるマッキンゼーなどのコンサル会社からの知見を引用し、
どんな人もお金が思った以上に動機づけになるというよりは、
努力が評価されるという満足感を大きな報酬として受け取っているという事実を紹介してくれています。
僕らはどんな時にも
「ありがとう」という報酬を与えることができる。
「サンキュー」でもいいだろう。
ちょっとしたタイミングで言うのもいいが、
わざわざ感謝を述べるために声をかけに行くのもとてもいいらしい。
お金という報酬を挙げられなくても、
感謝という報酬を皆に無償で支払ってあげられるではないか!
とてもこれも起業家精神に富む、
素晴らしい考えだと思います。
そして、
改めて思った。
仕事とはシンプルだ。
ブランソンさんのいうように、
「プリーズ」と「サンキュー」でほぼ事足りる。
「お願い」と「感謝」だ。
広げるなら、
人生もこの二つのサイクルで全て回っているのではないかと
思うくらいシンプルな二つのサイクルだ。
お願い上手は、感謝上手。
感謝上手は、お願い上手。
この二つのサイクルを上手くなるだけで、
どんどん人生は好転していく。
そんな気がしました。
さて終わりに、
人がいかに注意を引きつけて考えを伝えることについての話があったので触れておこう。
ブランソンさんは、
Googleのラリーペイジさんとも親しく、
Webにも明るいらしい。
そんなブランソンさんが、
意外にも現代的なWebのツールを使って
誰でもできる大きなものを引き寄せるプロセスを紹介してくれているので、
そちらをフィーチャーします。
まず、このWebの世界で人々の注意を引くということは
大変なことであるということを一つの例えで説明している。
それは、「大型船を停泊させること」と同じだというのだ。
確かにWebのトラフィック(交通)は数秒も待ってくれない。
次から次に人々は行き交い、
あっという間に去っていく。
それをグッと繫ぎ止めるにはどうすれば良いのか。
1)細かく軽いロープを港湾スタッフに放り投げる
これはいわば、200文字くらいのTweetのことを言うらしい。
短い文章でまず、繫ぎ止めることを試みるのだ。
2)もっと太く強い綱につなげる
これは、Eメールのような比較的長い文にことを言うらしい。
これを読んでもらえれば、しめたものだ。
3)重い係船大綱を引き上げる
これは、実際にプレゼンをして大型船を繫ぎ止めることがようやくできるのだと言う。
実際には、
これはGoogleの社内的なりん議の話をしていたのかもしれないが、
実は僕らが何かを世に届ける時に、
ちょこっとずつ、
人々の注意を引いていくこと
そして、
より大きな船であればあるほど、
その段階的なプロセスを経ることで、
うまくいくことを示唆してくれている。
IPOしたけれど非公開に戻した話など、
学びは続く。
//////////編集後記////////////
今回参考にしたのは、
「ヴァージン・ウェイ:R・ブランソンのリーダーシップを磨く教室」リチャード・ブランソン、日経BP社(2015)
「成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝」レイ・A・クロック、プレジデント社(2007)
やはり家族のことをベースに書くと言う部分は共感が持てるし、
親しみが持てますね。
すごく参考になります。
採用プロセスに注意を払うところや聴く力を大切にしていること、
言葉使いについての具体的な記述や何より楽しむと言う姿勢。
すごくこういうふうにやりたいなと思わせる内容が多かった。
やはり、
目見当は間違っていなかったとちょっと安堵するところもあったのでした。
・・・
話は変わりますが、
実はもう一冊の本をまた仕上げようとしています。
今度は住宅の本です。
やはり、
建築を今まで勉強してきた部分があるので、
まずは、
住宅建築を考えていく上で、
知っておきたい言葉に着目しました。
明日はその内容も少し詳しく触れてみたいと思います。
すごくシンプルな本ではありますが、
読み手は選ぶかな〜
お楽しみに!
SINYA OONO
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