古代都市のひ・み・つ!
発行者のSINYA OONOです。
今日は、
お金の秘密を教えてくれる興味深い寓話からのお届けです。
寓話といえば、
このシリーズでも
イソップ童話などを取り上げました。
イソップ童話は、
2500年以上前のものでしたが、
今回は、
それほど古くはありません。
書かれた時期自体は、
1920年代、
約100年前ということになります。
ところが、
その本が取り上げている寓話の背景が
もう少し古い。
それゆえにどこか古の知恵を伝えている雰囲気を兼ね備えています。
その寓話の背景とは、
古代バビロン。
古代バビロニア。
その都市国家としてのスタートは、
紀元前3000年頃からと言われています。
ということは、
かれこれ5000年ということになります。
日本では、
採集をしていたか、
農業が始まっていたか、
という縄文時代、弥生時代もだいぶ後のことになっています。
そのような時代に成立していた
都市国家バビロンという背景を紐解きながら、
個人がいかに繁栄と富と幸福を得るのか
それが寓話の形で描かれています。
奴隷制があったり、
筆記用具は粘土板だったり、
お金に紙幣はなく、
金貨、銀貨、銅貨だったりと現代との隔たりこそあれど、
公共事業があったり、
金貸しがいたり、
金利があったり、
賭博や賭け事があったり、
共通点も描かれています。
「学びの神殿」といわれる
大人向け公開講座のようなものは、
今よりも宮殿のようなところに置かれている分、
教育インフラとしての描き方では、
現代の日本の状況より優れているように思えるところも描かれています。
まず
色々いうけれど
お金って必要だよね。
それが、この古代バビロンの寓話のまず最初のスタート。
で、じゃあ、
どうすれば、
お金ってたまるの?
という読者心理にそそるかのように、
最初の第一話が提供されています。
どのような職が当時あったか?
何人かの登場人物に役職とお名前をいただいておきましょう。
戦車職人 バンシア
大富豪商人 アルカド
大富豪商人の息子 ノマシア
etc
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第一の黄金原則:最低でも十分の一の収入から貯えへの流れ
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さて、
第一原則は何か
それは、
お金を比率を決めて残すようにすることといいます。
ごく当たり前ですが、
残す割合を決めて
それを実行するには、
意志力や自制力が求められます。
少し前に家計をラベリングするとどうなるか
というテーマで記事を書いたのを思い出す方もいるかもしれません。
その記事では、
10のラベリングを10人のサッカー選手に例えて、
お伝えしました。
そこでもやはり、
収入の1/10を自己資金の貯蓄&投資にして
資産づくりをしていくというお金の知恵がありましたね。
その部分にも共通する内容になっています。
プラスαは、
借金返済に対しても貯蓄と返済を同時にやっていく知恵も含まれている点です。
これは、第八話なのですが、
粘土板を翻訳した考古学者が、
実は借金に困っていて
古代の粘土板に記された借金返済ストーリーを参考に
自らも借金生活を脱出していくという興味深い構成も入っていたりします。
策としては、
とてもシンプル。
収入の1/10を自分たちの資金に、
収入の2/10を借入金返済に、
収入の7/10を生活費に、
当てるというもの。
前述の記事では、
自分資金の1/10は同じ率でしたが、
それより高い優先順位に「付与」という与える項目があったり、
借入金の返済は、
優先順位第9位だったり、
生活費に関しては、
優先順位第4位から第9位までのより細分化された項目がありましたね。
その中でも住宅である住まいが重視されているのは、
本編を読むと共通点と言えるかもしれません。
いずれにしても、
些細な差異よりも
枠組みとしての共通点に目を留めて
その枠組みを自分たちの家計運用に採用するのは、
知恵あることだと思いますね。
よいのは、
実践しながら、
返済と貯蓄を同時にするので、
お金に関する自由度がどんどん上がってくるのを実感でき、
やりがいがあること、
楽しめること、
未来や将来に希望を持てること、
借金が増えたり、
お金に振り回される人生の悪いスパイラルに終止符を打てること
などがあげられそうです。
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第二の黄金原則:貯まった黄金の働き口をみつける
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合計5つの原則をここでは紹介しますが、
原則というのは、
適用できるルールのようなもので、
敷衍性が効くものです。
この一連の記事やそのほか自著の紹介等もしていますが、
原則の使用というのは、
人生を豊かにする上でとても重要になってくるキーワードです。
一つの原則を使えるようになると
複数の原則を扱うこともできるようになる。
学習と実践の本質は、
原則探しとその適用ということもできると思います。
それくらい人生でとても重要なんだということは、
繰り返しても繰り返ししすぎはないかなと思っています。
さて、
第二の黄金法則の内容ですが、
第一と関係してきます。
それは、貯まった貯金を働かせ、
黄金自体が利益を生むような働き口を見つけてあげること、
というものです。
ある意味、
職安などや求人情報誌、
転職サイトや就活サイトなどをよく見かけますが、
実は、稼ぎ始めたら、
むしろやったほうがいいのは、
貯まったお金の就職先であるというのは、
面白い比較です。
どのように、
その就職先を見つけるのかというのは、
次の原則ですね。
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第三の黄金原則:黄金の扱いに長けた友人の忠告のもとに投資する
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お金には、
お金に得意な人というものがいるもの。
たくさん持っている人、
そして長くそうしている人は間違いなく、
お金にまつわる様々な浮き沈みやストーリーを知っているはずです。
本当にその人が、
長けているかどうか、
本当によく知っている、
詳しい人に自分が相談しているだろうか?
というのは優れた質問だと思いますね。
1億円を貯めた人1371人の分析を特集した回では、
億万長者たちが、
税理士や弁護士などの守備的な投資的な活動をしていないが、
お金の大きな流れを法務や税務面でよく知っている人々の休日を割いてでも
よく相談しているという実態をみつけることができましたね。
ある意味、そのお話は、この原則のある意味での符合する部分と言えますね。
起業仲間だったり、
同業者だったり、
事業実態をよく知っている人だったり、
ここでは敷衍することもできそうです。
寓話上では青銅の盾づくりをしているアッガーという人に、
アルカドが投資を始めて
収益を出し始めたことが出てきます。
盾作りをしているわけですから、
青銅が十分に買うお金があれば、
仕入れができ、
生産ができれば、
十分元がとれるということで成功例として書かれています。
現実的で筋の通ったお金の流れであることと
それが遂行できる能力者によって運用されているかなどが
やはりチェックポイントにはなりますね。
まあ、武器の生産となると原則的には平和主義な時代には、
NGですが、
原則論という意味で参照しました。
寓話上の
金貸しのメイスンも
商人の中には、決まっていい話を持ってくるので、
信頼して貸せる者もいると言っています。
貸す側にも、
借りる側にもなってみて
お金というものがどうなっているのかを
しっかり見えていた方がいいですね。
第四、第五は、ある意味
祝福と呪いの呪いバージョン
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第四の黄金原則:よく知らない商売や目的に使うと黄金は逃げていく
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この原則は、
ウォーレン・バフェットなどの投資家によっても守られているようです。
ウォーレン・バフェットもまた
自分が知らないような事業には投資をしていないといいます。
いわゆるITが事業的にはブームであるとか、
チャンスだと言われても、
自分がよく知らないと思えば、
よく見えたとしても投資はしない。
そのような判断ができるためには、
自分の知識の量や限界、
領域というものを客観的に知っている必要があるとも言えそうです。
自分は何に詳しいだろうか。
自分は何に詳しいと言われているだろうか。
こうした問いを経ることで、
自ずとその答えが導かれてくるかもしれませね。
そして、
お金を実際に運用している人、
アドバイスでお金を得ている人ではなく、(笑)
運用に長けた人からのアドバイスを活かすことができるかどうかも
一つキーになりそうです。
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第五の黄金原則:莫大な利益、詐欺的誘い、未熟な願望に頼るようでは黄金は逃げていく
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5つ目の原則は、
現実性を飛躍してしまう論理の飛躍に注意する必要があるということを教えてくれますね。
先ほど出てきた、
寓話上の
金貸しのメイスンも
自分の長年の仕事が王様の目に気に入り、
突如金貨50枚を手にしたロダンの相談に乗るという話が出てきますが、
その最後で、
自分の金貸しの顧客が置いていく担保の質物入れ
の中からいろいろな顧客の身の上話を例えに教訓を示してくれた後、
その箱にある次の言葉を最後に指し示しました。
それは、
より慎重な選択こそが、大きな後悔から身を救う。
慎重さを尽くして、
投資上の話に漏れがないか、
怪しいところがないか
よくよく吟味するのは、
賢者の思考で、
ビビっているとか
勇者だとかそういう類のものではありません。
賢い人は、
即断即決こそすれど、
それは、すでに熟慮されているからこそであり、
熟慮され尽くされていなければ、
決定することではなく、
どのように検討を進められるかをその場で判断できるのです。
そのためのツールや思考、
場合によっては、
フレームワーク等を上手に使いたいですね。
富に関する知恵の継承に関しても
いくらか知恵を学ぶことができます。
お金そのものを継承しても、
幸せを継承できないということは
いろいろな人が言っていますが、
そのことが寓話の中でも書かれています。
特に有益だなと思ったのは、
「可愛い子には旅させよ」ではないですが、
大富豪商人 アルカド
大富豪商人の息子 ノマシア
のストーリーは、
親の成功ストーリーと第2世代をどう育てるかを
見る上で参考になると思います。
第3世代を育てるという意味では、
大商人シャルゥ・ナダとその盟友アラド・グラの孫ハダン・グラ
のお話がためになります。
特に、
「働くこと」が報酬ということ、
「働くこと」が人生の徳育につながるというような
稲盛和夫さんが言っているようなことともつながる部分は、
奴隷という
強烈な古代歴史上の立場・身分と比較され、
強いメッセージ性を持っています。
若者にも刺さる内容ではないでしょうか。
//////////編集後記////////////
今回は、
古代バビロンという背景を寓話にした
「バビロンの大富豪 『繁栄と富と幸福』はいかにして築かれるのか」ジョージ・S・クレイソン、グスゴー出版 (2008)
を基にお金にまつわる原則を復習してきました。
以前に取り上げた
「日本人のためのお金の増やし方大全」ロバート・G・アレン、フォレスト出版(2018)
も出てきましたし、
複数のコンテンツを横断的に見てくると
さらに原則的な融合ポイントを見つけることができるメリットも見えてきていると思います。
「働き方ー『なぜ働くか』『いかに働くか』」稲盛和夫、三笠書房(2009)
などの現代経営者のいうようなお話にも通じるところも出てきますね。
1920年代、2020年代もある意味同じ原則で、
行けるところは行ける。
時代の分だけ上乗せしたいなと思うのは、
私だけでしょうか。
ある意味、
人類6000年、
それを最大限活かしきるというのもテーマかなと思ったりしつつ
現在と過去、未来を行きつ帰りつワープしているような感じですね。
ある意味、
ドラえもんのタイムマシンに乗っているような、
感覚です(^^)
SINYA OONO
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