IPOと信用取引という世界

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今日はIPO信用取引のお話ということですが、前回と前々回の投稿に続く3部作、第3弾になります。

前々回で、というものが、会社という事業を起こすための資金集めと利益の分配のシステムとして機能しているということ、

前回で、割安な株価で優良なサービスや商品を生み出す会社の株を買うことで、低評価やピンチのときの応援ができ、その対価として売却時や分配金をいただけるという報酬システムについて考えてきました。

今回はその中でもイレギュラーなもの、前2回の本質からやや外れながらも、IPO信用取引利益を多く生み出すこともあるため、その本質的な価値の部分とどのように参加するかについてを少しだけ触れてみたいと思います。

まず、IPOについてですが、株を買うということについて書いた記事の中で、証券取引所に上場しているか、していないかということを書いていませんでした。

いくら、優良な会社の株といえど、会社のオーナーが全てを持っているような株は残念ながらその会社のオーナーがいいよ〜と言わない限り、株の持ち主になることができません。

低評価の時に応援するよ、ピンチの時に応援するよと言っても、株を買うという形で応援するためには、その株が売り買いできる状態である必要がある。

これを株式市場(株のマーケット)といい、野菜や果物、食肉や乳製品などと同じく売り買いできる市場(いちば)に並ぶものがその投資対象になることが多いと言えます。

この市場に並ぶことを上場と言っていますが、上場前の株については、前記事のリンゴの話で言うと農家の方から直接幾らかの値段で分けてもらうような感覚のことで、

IPOとは、市場に出ることが決まった会社の株を一定の割合で最初に持つことができる機会のことを言います。(投資側目線)

企業側目線で言うと、一般投資家に公開されることで、一般投資家の資金を使って事業を拡大できるチャンス、資金調達のチャンスということになります。もちろん、株主総会などIRと言われるような投資家への報告が求められ、一長一短があるわけですが・・・

ここでは投資家目線で話を続けます。

IPOの社会的なメリットと投資家的なメリットは、ある程度の成果を会社としては出してきたとはいえ、まだ社会的知名度が少ない会社を信用してお金を出すということにより、サービスや商品がより普及しやすくするということとそれに対して株価の値上がりを期待できるというのがIPOの投資になります。(株分割により、当初の株数よりも増えてしまうみたいなラッキーもあったりします。)

上場するためのチェックポイントがある程度あることから、

上場する=ある程度の社会的信用を得ている

と判断できるとも言えますが、100%値上がりを期待することができるわけではなく、かつ各証券会社に割り当てられた株数があるので、市場に出回っているときのように自由に買えるわけでもありません。

ということで、バリュー投資の説明の時と原則は変わらないのですが、

  1. この会社が世の中で資金を集めて、より良いサービス又は商品、より多くのサービス又は商品を提供して行ったときの社会は良い社会か、
  2. そしてその能力をこの会社は持ちうるのか、

といった疑問に対してYES!!!と答えられる必要があります。

価値を基軸に考え、社会への貢献への応援としてお金を捉えると、実は消費活動もまた投資的な活動とも言えるのですが、より初期の段階から目をつけていく投資のスタンスがIPOスタートアップの世界ということになります。(スタートアップは、IPOより前の時期の会社を立ち上げるようなときの状況下での投資のことです)

このような比較的若い会社に興味があり、大きくなっていく会社を見届けていくのも楽しいな〜と思うような場合は、

各証券会社の応募ページから、IPOの目論見書(ホワイトペーパー):こんな感じでやってきました。これからこうしてきます。という企業側の文書を見ながら、応募してみるのがGOODです。

英語だとProspectusというらしいが、White PaperはICO、暗号通貨の上場に使われることもあるので、書いてしまいました。

これもまた、若い会社への応援という社会的には有意義な活動とも言えると思います。

より初期のスタートアップへの投資については、又別の機会にお届けします。

今回は、次に、タイトルにあるように、信用取引の方を取り上げたいと思います。

前回の投稿で、投資家はなぜ利益を得るのかについての記事を書いたときに、価格が低い低評価時に買うと、企業への応援になり、高くなった時に売却したり、分配金を得たりすることで、その貢献に対するリターンを得るというお話がありました。

市場の価格を見ているとしかしながら、価格が常に本来の値段より下回っているわけではありません。本来の適正価格に据え置かれているわけでもありません。本来の値段よりも高い場合もあるわけです。

こうした状況を踏まえ、市場での流動性を良くするためにも、信用取引というものが存在しています。

それは、元本に対して何倍かの資金分の株を売ったり、買ったりできるというものであり、倍率は1倍から3倍など自ら選べる場合が多いです。

資金にレバレッジを効かす、てこの原理を使うという意味ですが倍率を大きくすることで市場にとっては、売りたい人、買いたい人が出た時にすぐに売買が成立できるようになるという市場運営側と売買希望者に売買機会を促進するメリットをもたらし、信用取引利用者にとっては、それが利益の額として反映されるという点にメリットがあります。

ただし、信用取引は、いわば、そうした株式市場のニッチな役割であるため、社会のお金を持ち寄り、事業を起こし、サービスや商品を提供するという投資業界におけるメインエンジンとして機能しているわけではないということはご理解いただけるかと思います。(そして、自己責任であり投資側としては、当然、損失を得ることあるし、含み損ということがあります。)

市場の中での売買成約促進するような補助的な役割がそこにはあるよ、そしてそのニッチな役割のために利益も、また上手にやればあるよというような感じです。

ここで、サラッと書いてしまいましたが、信用取引におけるもう一つの市場における役割と投資家が活用できる機能で、一般のバリュー投資の考え方では出てこなかった特筆する内容が一つあります。

それは、売ったりできるという部分なのですが、持っていなくても売れるという部分です。

これは、「空売り」と言われていますが、この機能が信用取引における大きな特徴と言えます。そして、バリュー投資の逆、売られすぎを買うのではなく、買われすぎを売るということがここでできるようになります。

もうお気づきかと思いますが、その会社や会社の持つ能力に対する評価としての株価が一つの基準になるのは同じだと言えます。

  • 売られすぎを判断できれば、買い
  • 買われすぎを判断できれば、売り

この売りの原則は、ある意味、買いから入って売却益を得たい時にも言える原則ですね。(逆もまた然り、買われすぎで売ったポジションを買い戻すのも、売られすぎな時ということです。)

なぜ売りで利益が大幅に出ることがあるかというと暴落という一気に株価が落ちるということがあるためです。株価が変われすぎの時に暴落の予兆を掴み、それを売り続けた場合、暴落時に儲け続けるということが可能になってしまうのが売りポジションから入るメリットであると言えます。

そしてそのいわゆる変われすぎや情勢の変化による利益を取るために、いろいろな情報を抑えているのが、投資家ということになりますが、より建設的な目的のためにその投資金を使うという観点からすると勧善懲悪ものの映画やドラマのように、買われすぎの民の不正を正すゆえに、利益を得ているとも言えますし、情勢の狭間でいい思いをしているだけとも言えます。

いづれにしてもそこに利益が生まれる仕組みになっているということは言えます。

また、前回の時に何を参考にするかの話ではないですが、市場に対する見方は経済アナリストや経済評論家だったりする場合もありますし、他の投資家がどれくらい評価しているかという評価としての株価という見方もありますし、それを踏まえた上で、自分の価値を置きにいくというのが投資の本質かなと思います。

これに対して、本来の社会への価値創造機能ではなく、単なる売られすぎと買われすぎを大衆誘導で作るなどというのは、本来の社会的機能からは外れているので、それぞれの未来への価値に基づいて、経済的な選挙の一票を正しく使うというのが、正しい消費者であることと同じく大切な正しい投資家であるということになるかと思います。

リタラシー倫理観、この辺りは社会主義の国ではないので、資本主義の国だと自負するならば、教育に組み込んでいない方がおかしいとも言えますが、そんなことも指摘しないと変わらないなんてどうかしてるぜ。

とも、思いますが、より社会創造につながる投資について研究していくのは今後の新たな投資スタイルになると思われますので、とても研究したり、実践していく価値のあるものかなと思います。

ESG投資みたいな概念が少し近いかな??

環境(Environment)

社会(Social)

ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資

はい、以上終わります。

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