はい、そうですね。映画の書評というのは書評と言うかレビューというのは初めてかもしれません。では、行ってみたいと思います。 まず最初に言っておきたいのはこの映画を塗れば分かるのですが根底に現代が流れていますそして昭和30年代が流れていてそしてさらにもう1世代前の年代がそこにあります。
映画というものを単一の作品として見るのではなくて積層された人々の彩り豊かな歴史と考えや思い出の詰まったそういう玉手箱みたいなそんなものに感じさせてくれる映画かなと思います。
映画そのものを重層的に重ねる作品というものはもしかすると他にも思い浮かぶかもしれないのだけれど。
そしてその現代を流れている現代の助監督と言うか、脚本家の役で出られた 加藤さんもその遺作となったという意味でその映画のシーンと現実とがリンクしてるようなそういう何か本当の死生観ともリンクしてしまうようなそんな最後になっていたかなと思います。
まあ少しネタバレになってしまっていたらごめんなさいなんですが。
後はシーンの綺麗さ、舞台や作り込みのワクワク感と言うか、時代のリアルさと言うかその辺は見所があると思います。
後はこれも少しネタバレになるのかもしれないけど、英語で言うなら、”Tangible”「触れられる・触れる」と言うテーマがそこにあって、そして「一緒にいてくれる存在」と言うテーマがそこにあって、それを分けて描き出すことができたことが、とても人の存在性というものを考えさせる取り上げ方になっていてそれによってより切なさと言うか、意味での人恋しさと言うか、健全な意味での悲しみと言うか、そういったものがすごく綺麗にされていくようなそんな素晴らしい作品だと思いました。
綾瀬さんの演技については一言ということなので、はるかさんは僕が見たところ何かこう変わらない女優像というか…綾瀬はるか論になっちゃうと思うので、ちょっとここではやめといたほうがいいのかなと思いつつも、まあでもさらっと言っとくとその本人の本人の芯の強い部分に色々なキャラクターををかぶせることができていてまあそのうちの一つとしてこの映画での役もはまり役をうまく勤めていたなという印象です。
コメディっぽい要素と天然ぽい要素と優雅な要素、今回は天然の要素っていうのはあまり見られなくて逆に恋愛というか、人を好きになるとか、人のことを思うという意味での純粋な部分、ピュアな部分という要素が一番よく出ていてみどころかなと思います。
- メモ
- 映画・テレビで戦争反対の一心で(約56年間[‘62-’18])俳優を続けてきた加藤 剛の映画遺作